スクレ・ラデュレの秘密

Rendez-vous avec Safia Thomass Bendali

ラデュレのイメージをつかさどるサフィアさんとのインタビュー。ラデュレとの出会いなど、お仕事の話を中心にお伝えした前回に続き、第2回は、彼女のライフスタイルについてお伺いします。ラデュレに憧れる日本女性にとって、現代のパリ女性を象徴する一人でもあるサフィアさん。そんな彼女のお話は、とても興味深いものとなりました。

Rendez-vous avec Safia Thomass Bendali
サフィア・トーマス=ベンダリ

──ブランド全体のイメージ管理、コミュニケーションに商品の企画とマーケティングまで、一人二役どころか、いくつもの役割を担うサフィアさんですが、プライベートタイムはどう過ごしていらっしゃるのですか?

仕事は忙しいけれど、好きなことをしているから楽しくて、全然苦にならないの。アフター・ファイブというわけにはいかないけれど(笑)、オフタイムは映画、コンサート、バレエなどを見に行くのが楽しみです。2週間に1本は映画を見て、演劇やオペラ、展覧会にも出かけます。週に1度はレストランでディナー。月に一度は家に友人を招いてディナーをすることにしています。

──お料理はご自分で準備なさるんですか?

お客様を招待するときは、前の日から準備をするわ。得意料理は、二人の祖母から伝授されたメニュー。父方、エジプト出身の祖母から習ったのはオレンジのサラダとミートボールの料理。フランス南西部ドルドーニュ出身だった母方の祖母からは、鴨やフォアグラの料理を受け継ぎました。また、ディナーのテーマは季節によって考えます。たとえば1月なら、キリスト教の公現祭、エピファニー(キリストが神の子として人間の前に現れた記念日)を祝って食べる伝統のお菓子、ガレット・デ・ロワ(フェーヴと呼ばれる陶製の小さな人形が入ったアーモンドクリームのパイ菓子。切り分けて食べ、フェーヴが当たった人は、幸運が1年間続くといわれる)をテーマに、ディナーのメニューを考えます。

──ウィークデーはパリでアクティブに過ごされるサフィアさんですが、週末はどうしていらっしゃいますか?

ほぼ毎週、祖父の出身地ノルマンディ地方にあるペルシュという場所にある田舎の家で過ごします。土曜の朝にパリを出て、お昼ごろから友人の家でゆっくり、5時くらいまでランチタイムを過ごすことが多いの。土曜のディナーには友人たちを招くのが常。そして日曜日は、インテリア関係を中心に、1週間分の雑誌にじっくりと目を通します。


──お仕事で海外に行かれることも多いと思いますが、好きな場所はどこですか?

みんな驚くけれど、実は東京が大好きなのよ。ニューヨークはあまり好きじゃないの。東京は大きな街だけれど、いろいろなカルチエ(地区)に分かれていて、それぞれが一つの村みたいに違う性格を持っているのがとても面白い。不思議がられるけれど、私にとって東京は、静かで落ち着いた雰囲気がする街なんです。


──お気に入りのヴァカンス先はどちらですか?

イタリアは、どこに行っても素晴らしいと思える国。カプリも、ヴェニスもいいわ。この国は「ずっと変わらない」と思える。50年前と比べても変わっていないの。そういう場所は、今、とても少ないと思う。そしてお隣の国でとても近いのに、フランスと全く文化が違うのも面白い。イタリアで過ごすヴァカンスは大好きです。


──2週間に一度は映画を見に行くとおっしゃっていましたが、映画好きは子どものころから?

実は叔母が映画館のオーナーだったんです。だから小さいころから 映画は身近でした。金曜の夜から日曜まで、映画を3本見たものです。そのおかげで、後に演劇の勉強もしたぐらい。当時見て心に残っているのはイタリア映画の数々や「ドクトル・ジバゴ」など。アメリカ映画だと、アン・バンクロフトの出た「卒業」やオードリー・ヘップバーンの「ティファニーで朝食を」。でもその後ニューヨークに行った時に、映画とのギャップを大いに感じたのを覚えています。


──お料理を伝授されたお祖母さまたちや叔母さまなど、ご家族にすてきな女性が多いサフィアさんですが、「人生に 大きな影響を与えた人物は?」と聞かれたら誰を挙げますか?

影響を受けた……というのとはちょっと違うかもしれませんが、文学やアートの分野で活躍した女性たちの中では、作家のコレット、歌手のマリア・カラス、画家フリーダ・カーロなど、強い個性を持った女性たちの作品や人間性に魅かれます。強い女性たちを描いた、スタンダールやエミリー・ブロンテの小説も大好きです。

アルバム ペンポーチ ボールペン ステッカー

料理、映画、田舎での週末やヴァカンス……サフィアさんの五感を刺激するさまざまな要素が、ラデュレのクリエイティビティを生み出す源になっているのが分かります。次回は、サフィアさんのお気に入りのパリのアドレスをご紹介します。